*BABY* 63

お花の国の妖精さん
お姫様ほどは目立たないけれど
この国の人ならみんなが一度は憧れる
緑のおだんごヘアに、細く長い手足
きらきらひかる瞳、甲高い歌うような声
それから、左の耳に揺れるちいさなお花...

彼女はベイビーバレリーナ
そのむかし、お花の国ではある『習い事』が流行っていたの
もちろん、その発端はお姫様。気まぐれな彼女が何気なく始めた、はじめての習い事
それが、クラシックバレエ
だけど、彼女はあまり...

妖精さんのおまじない
お花畑にかくれて、たまにしか姿を表さない彼女。
美しく繊細で、みんなの憧れの的
でもね、ほんとは彼女、落ちこぼれだったの
この国じゃ妖精のお仕事は、みんなが幸せに過ごせるよう、歓びの魔...

お花の国のマリッジリング
お姫様は、いつもちがうドレスを着てる
髪につけたお花も、単色のネイルのお色も、いつも違うの
だけど、いつもかわらないのは、彼女の左手
彼にもらったマリッジリング。
彼女は飽き...

モンシロチョウの口づけ
いつものように、お花畑ですやすや眠る彼女。
その左耳にはいつものお花、なんだけどね、
よーく見てると時々、モンシロチョウがとまってるんだって。
だけど蝶々もなかなか飛び立たないし、...

それは気品と愛情と
「ねえねえ、奥さん?」
出来もしないネクタイを手に持って、
これ締めて?と「おねだり」してくる彼。
寒くなってきたから、なのかしら?
最近じゃ用もないのにスーツを着ていて、
私...

それは祝福とだいすきと
お茶とお花とかわいいドレス
大好きなものはたくさんあるけれど
ずーっと一緒ってわけには…いかない?
お姫様はずいぶんワガママなもので、
それがすごーくイヤだったの。
ずっとずっ...

わがまま姫君に恋焦がれ
やっぱり強気で、僕のずっと先を行くお姫様
こんな彼女だから、僕に「胸を焦がす」
なんてこと、ないんだろうなぁ。
そんなところも大好きで、だけどちょっぴり寂しくて。
「ねえ!王子様...

特別なきみにとっておき
「あれ?今日は髪、つけないの?」
王子様がそういうのも無理はない。
というのも、最近では花びらとボタンの髪飾り、
まいにちのように欠かさず着けていたもの。
きょうはどうして、...

温もりロイヤルミルクティー~夕暮れ~
彼女の一日は、お紅茶でできているようなもの。
本を読むときも、お花を眺めるときも、
美しいお姫様の隣には、必ずカップがあるのです。
そのカップの中身も、寒くなってくると
ほとんどがと...

温もりロイヤルミルクティー~はじまり~
彼女の一日は、お紅茶でできているようなもの。
本を読むときも、お花を眺めるときも、
美しいお姫様の隣には、必ずカップがあるのです。
そのカップの中身も、寒くなってくると
ほとんどがと...

色めき彼女とバースデイ
10月14日
今日は愛しい王子様のお誕生日。
お姫様の誕生日の『お茶会』ほどじゃないけれど
今年は仲良しの皆を集めてお祝いするの。
写真家さんや郵便屋さんはもちろん、
草の国か...

魔法使いさんへお手紙を
右手にペン、机には便せん。
その宛先は、「魔法使いさんへ」
内容はただ一言。
あなたの声が好きよって、言えなかった告白を。
封筒に便箋と、首から外したピックを入れて。
顔も...

左耳から、きみの音
魔法使いさんのピックを拾ったあの日から、
ずいぶん拗ねてる人がひとりいるわ。
ええ、それはもちろん王子様
恥ずかしがりで優しいくせして、こういうことになると
すーぐやきもちやくんだか...

魔法使いさんの落としもの
夏の朝、もうじき陽が昇る薄暗いころ
早起きの彼女の日課は、お城の周りをお散歩すること
いつものように、朝露のついたお花と
まだ誰も起きていないお城を眺めて
今日も日の出が見られるかし...

センチメンタル向日葵
昼間はキラキラ光ってた太陽も、そろそろおやすみの時間
完全にねむっちゃえばなんともないんだけど、
この『おやすみ前』がいちばん切ないの
夕時、うつしだされる、彼女の姿
黄色い花び...

彼女の夏のティータイム~アッサム~
午後三時には、テラスであったかいお紅茶が日課なお姫様も
ここまで太陽がまぶしいと、なんだかそんな気分にもなれなくって
あつい夏には、つめたーいアイスティーを頂くの
飽き性の彼女...

彼女の夏のティータイム~ディンブラ~
午後三時には、テラスであったかいお紅茶が日課なお姫様も
ここまで太陽がまぶしいと、なんだかそんな気分にもなれなくって
あつい夏には、つめたーいアイスティーを頂くの
飽き性の彼女...

あまいあまい、午後七時
夏のきらきら太陽の下
だいすきなあなたと、あまいあまい時間をすごそう
まちあわせはお城のテラス、夕時ピンクのお空をながめながら。
両手にはいっぱいのお食事を持ってね?
「奥さ...

甘えんぼ彼女と夜のお茶会
「ねえ、「わかってる、おやすみの一杯でしょ?」
「…」
私の要望が分かってきたのか、さいきんよくお茶が届くわ
別にそんなに飲みたいわけじゃなくて、甘えんぼするのも楽しいんだけど。
...

草の国のしあわせマーチ
お花の国のしあわせは
だいすきなひとと飲むお紅茶に、たくさんのお花
この国に来て二年がすぎて、
最初はよくわからなかったけれど、今じゃ当たり前で
彼女だけじゃなく、この国を好きになっ...

おめかしヒマワリとアフタヌーンティー
暖かくなってきたこの国で、今日も彼女は、彼とお紅茶を
まぶしい陽射しとその下に、光るのはやっぱり向日葵
なんだか品の無い花ね、って彼女はそれをばかにしてたの
だけど王子様は、向日葵、け...

まいにちとキラキラをつめこんで
今日は彼女の、18のバースデー。
お城ではメイドさんたちが、せっせとお茶会の準備をしているわ
夜の主役は、湖で時間つぶし。あと一時間くらいね。
あらあら、王子様がやってきたわよ
...

私を連れ出す、夜の魔法
眠れない夜、ベッドで絵本を読みながら
ホットミルクでも飲もうかしら、なんて、だれにでもあること
それは、毎朝6時には目覚めちゃう早寝早起きお姫様でも
廊下から足音がするわ、誰かも起きて...

君の左手にだいすきを
別に何の日でもないふつうの日に
だいすきを伝えたいとき、彼女はどうするかって?
テラスに咲いたお花の蔓をしっかり乾かしてぐるぐる丸めて
ハートの魔法とちっちゃなしあわせを巻き付けた...

舞踏会のはじまり
今日が何のパーティーであっても、
彼女たちのどきどきは、どんなコスチュームを着るか、なのかもしれません
お姫様とおんなじドレスは着られないけれど、
バレエの衣装ならおそろい、も...

王子様と、春のお花狩り
外はすっかり暖かくなり、お外でデートもいやじゃなくなったころ
今日はお花狩りに行くことに
冬場は真っ白に埋もれていた子たちが顔を出し、きらきら明るく彩る季節
夏にはまたみえなく...

姫君の耳たぶにちょうちょのキス
もう春はそこまで、なんて言うけれど
お城から一歩出ればつめたい風が足元を揺らす
となりにすわる彼は、なんだか楽しそうに鼻唄を歌ってるわ
彼には失礼だけれど、なんだか機嫌がわるくなるわた...

オトナの片想い
もうすぐ18になるお姫様、王子様と結婚して、2年が経とうとしています
早くに結婚した彼女も、いろんな恋をしたの
初恋は、歌の上手な「魔法使いさん」
彼と出会う少し前は、「絵描きさん」に恋を...

お姫様のお色直し
どんなにばっちり準備してきてても
デートの途中も、女の子は忙しいもの
風が吹けば髪の毛を心配、ケーキを食べてはリップを気にかけ
彼が見ていない隙に、こそっと左胸の秘密兵器をのぞくの
...

王子様に甘えんぼ
しっかりもので、彼の前をしゃくしゃく歩くお姫様
ちょっぴり恥ずかしがりで、いつも優しい王子様
そんなふたりだから、彼女が「おねだり」をするなんてまあ稀なこと。
だけどね、たまには「...

ふぬけ幸せおさげさん
午後20時、いつもなら夕飯を食べ終える頃
…なんだけど、今日はどういうわけかしら?
まだ器すら出てないわよ。
「王子様、おさげさんは?」
「今日はきみ、作ってくれない?」
...

おさげさんから奥さんへ
「写真家さん、夕飯食べてくでしょ?」
僕の返事も聞かないままに、
運ばれてくるのはきみの手料理。
さすがはメイドさんなだけあって、味は完壁。
いつもは可愛らしいきみも、こうし...

おさげさんへの照れ隠し
「はい、これこないだの」
君の手から差し出される、白い封筒
その中身は決まって、前のデートの思い出写真
こないだは海に行ったからきっと、
夢中で撮ってた海岸の写真かしら?
...

おさげさんからファーストキス
彼と出会った、お姫様の17のバースデー。
これは、そのちょうど一年後の、物語。
お城で18回目の、大きなお茶会。
おいしいケーキに、たくさんの音楽。
おさげさんは彼とふたり、...

おさげさんに春のにおい
ブラウスにスカート、フリフリのエプロン。
その上に「カーディガン」が要らなくなって
気づけば外は、お花と太陽で明るい季節。
キッチンから窓を開けて
ほんのりお陽さまのにお...

おさげさんにフルーツチョコレート
花畑でデート中、すっかりうとうとしていたら、左耳から彼の声
「はい、これプレゼント」
何の記念日でもないのに、彼が差し出した右手には、沢山のカラフルなチョコレート
「中に何か入...

おさげさんにバラの花束を
きょうはクリスマスパーティーの翌日
昨日は彼女に何もあげられなかったから、一日遅れのプレゼントをあげることに
だけど何をあげていいかわからなくて
彼は国の写真家さんなんだけれど...

おさげさん、はじめてのロゼ
純粋で、ひかえめで、お城のだれよりも優しい
そんな彼女を変えたのは、だいすきな彼
今日はクリスマスパーティー
見慣れない顔もたくさん来ていて、ふだんのお城とはちがう空気
...

おさげさんの待ちあわせ
おさげさんのデートは、いつも彼がお迎えにくる
だけどね、たまには待ちあわせ、してみたいじゃない?
早くこないかなって待つ時間も
遅くなっちゃった!って彼と目が合う瞬間も
それは女...

おさげさんのクッキー作り
だいすきな彼にプレゼントしたくて、ドキドキしながらキッチンに立つ彼女
森で採れたラズベリーを入れた あまいあまいクッキー
「あれ?得意料理なはずなんだけどなぁ」
ちょっぴり失敗しちゃっ...

おさげさんに秋風
彼と出会った春のお茶会から半年、
空気もすこし冷たくなって、ちょっぴり切ない季節
彼女はようやく、彼といることに落ち着けるようになって
半年前とは別人なくらい明るい笑顔で、今日も手...

べりー娘と、寒空初デート
寒い冬、ほんのすこしの晴れ間の日。
まっしろな世界に、すこしのお陽さまがきらきら光り
そう、これは絶好のお出かけ日和。
それを知ってか知らずか、きょうは配達がお休みなきみ。
...

ベリーさんと、一面銀世界
もうすっかり季節は冬で
朝のお掃除が億劫になってきたある日、
今年も、”初雪”がやってきました。
この森に降る雪はすっごくキレイでね、
木の枝もおうちの屋根も、みんながまっし...

ベリー娘のキラキラおめかし
10月14日
きょうはお花の国の王子様の、23歳のお誕生日。
大きなパーティーではないけれど、
ベリー娘もお誕生会に、お呼ばれしています。
ドレスを着るほどじゃないらしいから...

彼女と揺れるやさしさと
彼が配達にやってくるのは、午後16時
島の北からひとりで配るから、
私の家はいちばん最後。
「郵便でーす」
その声がすれば、誰より早くポストまで。
「今日は荷物、ないんだけ...

ベリー娘の恋文セット
ベリー娘は今でも、お姫様と文通をしていてね
だけど近頃は、もうひとりの文通相手に忙しいみたい。
どの便箋にしようか迷いながら書いたお手紙には
とっておきのシールを貼って。
ああ、...

夏の思い出、ベリージャム
こないだ収穫祭をしたばっかりなのに、
もうちょっぴり冷たい、秋風の予感がしてるの
ベリー畑でも、また来年に向けて準備を始める季節
だけど夏のおわりって、ちょっぴり寂しい気持ちに...

ベリー娘の、あまあま収穫祭
すっかり暑くなってきた季節、お城のお花はみえなくなるけど
ここ、森のベリー畑では、これからが本番
そう、夏といえば、収穫の時期
ベリー娘もおばあさんも、朝から晩までひろい畑を走りっ...

ベリー娘の午後三時
すっかり暑くなってきた季節、お城のお花はみえなくなるけど
ここ、森のベリー畑では、これからが本番
そう、夏といえば、収穫の時期
ベリー娘もおばあさんも、朝から晩までひろい畑を走りっ...

ベリー娘のおてがみセット
あのパーティーで仲良くなった二人は、
島のいちばん南といちばん北で、文通をはじめました
彼女からお手紙が届いたわ、さあ、お返事を書かなくちゃ
何度もお手紙を書くから、持ち運べるよう...

お花屋さんの彼女さん
それは草の国の、お姫様のこと。
だけど、お花屋さんの彼女さんっていうのは
お花のないこの国じゃけっこう特別で
彼は女の子たちの、憧れの的でもあるのです。
だってね、デートの度に「...

王子とボタンとはなびらと
あの第二ボタンをあげてから、お姫様二人で
僕の「ボタン」を髪止めにするのが気に入ったらしく
そんなものでいいならあげるよ、と
軽く言っちゃったのは、失敗だったのかな
気づけばYシ...

甘えんぼ姉妹に第二ボタン
なんでそんなものが欲しいのか知らないけど
僕がジャケットを新調する、といえば
「第二ボタン、頂戴?」
と、甘えてくるお姫様が二人
それは奥様と妹で
もちろんあげたいのは山々なん...

キラキラ朝日と、夏風の下
それは草の国のお姫様の、何度目かのデート
時刻は午前、6時…を10分すぎたところ。
「…ごめんごめん!遅くなって!」
ようやくやってきた、のんびり屋のお花屋さん
毎回のように...

草の国の、お姫様に初恋
草の国の、おとなしい控えめなお姫様
今日はそんな彼女の、初恋の物語を
「わたし、あなたが好き」
あらあら、だれかが愛の告白をしてるわよ
ずいぶん勇気のある女の子ね…って、あれ...